共沈・溶媒浮選による水中の微量カドミウム,銅,ニッケル及び鉛の定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
従来用いられているInの水酸化物In(OH)_3とは異なり,ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウムとInとの化合物In(C_5H_<12>N_2S_2)_3を共沈剤に使用し,微量金属イオンの溶媒浮選を行った.In化合物の沈殿生成には,In1mg/l以上,ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム30mg/l以上の濃度で酸性域(pH2付近)の条件がより効率よく共沈できることを確認した.ppbオーダーの金属イオンを含む水溶液1lからジイソブチルケトン10mlを用いて浮選を行った.本法ではMn^<2+>,K^+,Na^+,Ca^<2+>,Mg^<2+>は浮選されないため,自然水中に比較的多量に含まれるアルカリ,アルカリ土類金属の妨害は除かれる.浮選の際に妨害する有機物の分解処理には過マンガン酸カリウムによる酸化が有効であり,清浄な自然水中の数ppbのCd^<2+>,Cu^<2+>,Ni^<2+>,Pb^<2+>を90〜105%の回収率で定量できた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1988-08-05