フレーム光度法によるモリブデン精鉱ダスト中のレニウムの定量
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概要
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レニウムの主な精錬原料は,輝水鉛鉱(MOS_2)をばい焼する際生じる煙じんで,モリブデンと共存するレニウムが用いられている.これらレニウムのフレーム光度法による定量方法を検討したところ,AASの約10倍の感度があることが分かった.レニウム溶液は蒸発乾固などによりかなりの損失を生じるので,試料の分解は過酸化ナトリウム-水酸化ナトリウムで融解し,レニウムの測定に影響するモリブデンなど共存元素はテトラ-n-ブチルアンモニウムクロライド溶液でレニウムを抽出して干渉を除去し,4.3M硝酸で逆抽出後,硫酸ナトリウム溶液(10w/v%)2mlを添加して感度を増加させた.ばい焼ダスト及び合成試料を用い,フレーム光度法によってレニウムを測定した結果は,相対誤差2%の範囲で精度よく定量できることが見いだされた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1986-11-05