誘導結合プラズマ発光分析法による海水中の希土類及びトリウムの定量
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概要
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誘導結合プラズマ発光分析法(ICP-AES)により海水中にあるpptレベルの希土類及びトリウムを定量した.ICP-AESによる希土類元素の検出限界は0.2〜3ng/mlと高感度であるが,海水中の目的元素は更に微量であるため水酸化鉄共沈法により目的元素の10000倍の濃縮を行った.この方法で海水中の目的元素を95%以上の回収率で集めることができ,海水中の主成分塩類からもほぼ分離できた.共沈剤として使った鉄の濃度が高くなるので,その大部分を6M塩酸溶液からメチルイソブチルケトンで抽出した.このとき,目的元素の損失が見られたので,測定結果はこの値を補正した.から試験溶液,標準溶液は試料溶液と同じマトリックスに調製した.測定に使用したスペクトル線は感度が高く,更にこれらのマトリックス元素や希土類やトリウム相互のスペクトル干渉の少ないものを選んだ.プラセオジム,ガドリニウム,テルビウム,ルテチウムは海水中の濃度が低いうえ,感度が高くスペクトル干渉の少ない適当な分析線がなかったので定量できなかったが,他の希土類元素やトリウムは5〜30%の精度で定量できた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-06-05
著者
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