塩酸を用いた石炭灰からの数種の元素の溶出(<特集>石炭利用と分析化学)
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概要
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石炭灰中の元素の化学的キャラクタリゼーションを簡単な溶出実験によって行った.種々の濃度の希塩酸100 mlに懸濁した石炭灰200 mgを30分間超音波処理した.〓過した溶液についてナトリウム,カリウム,マグネシウム,カルシウム,ストロンチウム,アルミニウム,鉄を原子吸光法によって定量した.ナトリウム,カリウム,マグネシウム,ストロンチウム,鉄の溶出量はカルシウム,アルミニウムの溶出量の関数a[Ca]+b[Al]として表現できる.ここでa,bは元素によって決まる定数である.上記5元素の溶出量を,最小二乗法によって求めたa,bを用いて計算した結果は実測値と誤差±15%以内で一致した.このことは石炭灰が水溶性相とアルミノケイ酸塩相とから成ることを示唆している.係数a,bは各元素について水溶性相とアルミノケイ酸塩相の間の分配を記述する.ここで提案した方法は石炭灰中の少量元素のキャラクタリゼーションに有効であることが証明された.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-05-05
著者
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