石炭中の有機酸素直接定量(<特集>石炭利用と分析化学)
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概要
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石炭中の有機酸素の直接定量法を確立した.分析方法は,試料をヘリウム気流中で熱分解し,生成揮発分を更に高温で完全に熱分解した後,生成ガス中の二酸化炭素は900℃加熱の白金炭素で一酸化炭素に変え,一酸化炭素濃度をガスクロマトグラフィーで測定して酸素濃度(%)を求める.本法は揮発分の完全な熱分解によって,白金炭素が析出炭素で被覆されるのを防ぎ,かつ生成ガス中の炭化水素の濃度を低下させること,又析出炭素を測定終了後燃焼除去して,から試験値を低く一定に保つことを特徴としている.本法による有機酸素測定値はJIS法の差で求める値とよく一致し,繰り返し精度は良好で相対標準偏差は約2%である.2組の装置を用いると,一試料当たり20分間で分析できる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-05-05