アデニン及びグアニンのグラッシーカーボン電極による微量定量における銅(II)添加と前電解の効果
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概要
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アデニン及びグアニンの溶液に銅(II)を共存させ,グラッシーカーボン(GC)電極により初期電位(E_1)で一定時間(τ_d),定電位電解を行った後,正方向に電位走査すると,それぞれ1.15V,0.82V(vs.SCE, 飽和カロメル電極)付近のアデニン,グアニンに対応する酸化電流が増大することを認めた.この現象を電気分析に応用し,これら塩基の検出感度向上を試みた.すなわち,示差ステアケースボルタンメトリーにより,pH4.0の酢酸緩衝溶液中で,E_1を+0.05V (vs.SCE), τ_dを3分にそれぞれ設定し,1×1O^<-3>mol dm^<-3>の酢酸銅を共存させたときの各塩基の検量線を作成したところ,5×10^<-7>〜8×10^<-6>mol dm^<-3>の濃度範囲で良好な直線関係が得られた.その傾きは,アデニンが1.3,グアニンが3.1(10^<-6> A/10^<-6>mol dm^<-3>)であり,τ_dを5分にすると2×10^<-7>mol dm^<-3>の塩基の検出も可能であった.この現象の機構の詳細は不明であるが,銅(II)イオン共存下の前電解中に,塩基の化合物が電極に析出又は吸着されるものと思われる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1985-01-05
著者
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