ランドルト反応を利用した微量タングステン(VI)の接触分析へのヨウ化物イオン選択性電極の応用
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概要
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ヨウ化物イオンの酸性溶液中での過酸化水素による酸化速度は,微量のタングステン(VI)などの均一触媒の存在により,著しく増大することが知られている.この酸化還元反応にアスコルピン酸を加えると誘導時間が生じ,ランドルト(Landolt)反応となることを利用して,触媒の微量定量を行った.反応溶液中のアスコルピン酸がすべて消費されるとヨウ化物イオン濃度が減少し始めるので,ヨウ化物イオン選択性電極を用いて電位を記録し,その濃度変化を追跡することにより,誘導時間を測定した.誘導時間の逆数と触媒イオン濃度が直線関係にあることから,微量のタングステン(VI)の定量が可能である.種々検討の結果,pH,ヨウ化カリウム,過酸化水素及びアスコルビン酸濃度の最適値は,それぞれ,2.5,10 mM,10 mM及び0.8 mMである.この条件で,タングステン(VI)(0.1〜1.2)μMの定量が可能である.共存イオンの影響についても検討したが,接触作用があるとの報告のある鉄(III),ジルコニウム(IV),バナジウム(IV)及びモリブデン(VI)などが大きな妨害を示した.鉄(III)は,等量のEDTAでマスキングされるので,その妨害は除去できる.更に,本法を鉄鋼試料中のタングステンの定量にも応用した.
- 1983-09-05
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