ヒドロベンゾインとクリスタルバイオレットによるホウ素の溶媒抽出吸光光度定量
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
α-ジオールがホウ素と反応して錯陰イオンを生成しやすいことに着目して,ヒドロベンゾイン(HB)とクリスタルバイオレット(CV)を用いて微量ホウ素の溶媒抽出比色定量を試みた.ホウ酸はpH9.2〜9.6で過剰のCVの存在下,HBを含むベンゼンと振り混ぜると容易に錯陰イオンを生成してCV陽イオンとともにベンゼンに抽出され600nmに吸収極大を示す.この吸収強度は最適条件下で水相のホウ素濃度が(2.5×10^<-6>〜2.5×10^<-5>)mol 1^<-1>の範囲でベール則に従い,見掛けのモル吸光係数3×10^4l mol^<-1>cm^<-1>(20℃)であった.本法では普通のガラス器具が使用でき,反応と抽出は常温下2分間の振り混ぜで十分であり,又試薬空試験液の吸光度が低いので抽出液を洗浄する必要がないなど,操作が極めて簡単である.しかし共存イオンの影響を受けやすいので,実試料の分析に適用する場合は適当な前処理によってあらかじめ妨害イオンを除く必要がある.実例として海水中のホウ素の定量を試み満足する結果を得た.
- 1982-09-05
著者
関連論文
- フェーリング溶液とブドウ糖との反応により生ずる沈殿の色(昭和 41 年度九州地区化学教育研究協議会, 化学教育関係研究発表の講演要旨)
- 教育学部生のための基礎的な実験技能を高める試み
- 環境教育の資料作成 : 阿蘇火山灰の影響
- 環境教育の資料作成V : 河川の浄化能
- 環境教育の資料作成IV : 金属の溶出と水生植物の浄化能
- 環境教育の資料作成 III : 洗剤と水質汚染
- 子ども一人一人が科学を楽しみ, 主体的に取り組むための教材・教具の工夫 : 第5学年「ふりこの動きとおもりのはたらき」
- 既習事項をもとにした生徒の好奇心や発想を生かす発展的な授業の工夫 : 化学変化にともなって出入りするエネルギー
- 活性炭を用いた燃料電池の教材開発
- ヒドロベンゾインとクリスタルバイオレットによるホウ素の溶媒抽出吸光光度定量
- クリスタルバイオレットと2,3-ナフタレンジオールによるホウ素の溶媒抽出-吸光光度定量
- 中学校の実践授業で使える二酸化窒素の簡易測定法の開発
- 活性炭を用いた空気電池の教材開発
- 「ミニ遊園地づくり」からエネルギー教育を考える : 想像から創造へ
- 環境教育の資料作成VI : ウキクサによる環境水調べ
- 自然の叡智から学ぶ環境教育 : 自然の素晴らしさを実感できる環境教材の開発
- 自然のはたらきの素晴らしさを体感させる環境教育 : 環境教育実験集 (CD版) の作成と授業実践
- 自然の叡智から学ぶ環境教育 : 活性汚泥による汚水浄化の教材化
- お茶を科学する
- 環境教育の資料作成 II : 水質汚染と自浄作用
- 中学校の実践授業で使える陰イオン界面活性剤の簡易定量法の開発
- 酸化チタンの光触媒作用を効果的に演示するための教材開発
- 中学校の実践授業で使える二酸化窒素の簡易測定法の開発
- 九州地区化学教育研究協議会 : 熊本大会