河川水及び工場排水中の全窒素・全リンのイオンクロマトグラフィーによる定量
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概要
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河川水及び一部の事業場排水をアルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウムで分解し,試料水中の全窒素・全リンを硝酸及びリン酸イオンとして,イオンクロマトグラフィーで分離定量する方法について検討した.アルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウムにより,オートクレープ(121℃,1気圧)中で,試料水中の有機体窒素及び有機体リンをそれぞれ硝酸,リン酸に分解した.分解試料をキレート樹脂を充てんしたカラムで処理後,IC法を用いて,硝酸イオンとリン酸イオンを分離し,全窒素・全リンとして定量した.リン酸イオンに対して妨害となる金属イオンは,キレート樹脂を充てんしたカラムで処理することにより除去できることが分かった.又ペルオキソ二硫酸カリウムの分解生成物である,多量の硫酸イオンは,1.5mM炭酸ナトリウム-5mM炭酸水素ナトリウムの溶離液を用いることにより,硝酸イオン及びリン酸イオンと完全に分離することができた.本法における全窒素及び全リンの検出限界はそれぞれ0.007mg/l. 0.017mg/lであり,又定量値の変動係数は1.8%,4.5%であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1982-07-05
著者
-
中本 雅雄
大阪府公害監視センター
-
高見 勝重
大阪府公害監視センター
-
大川 和伸
大阪府公害監視センター
-
久下 芳生
大阪府公害監視センター
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久下 芳生
大阪府公害監視セ
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大川 和伸
大阪府公害監視セ
-
中本 雅雄
大阪府公害監視セ
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