溶媒抽出-原子吸光分析法による産業廃棄物汚泥中のクロム(VI)の定量
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概要
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多種の妨害物質を大量に含有するスラリー状(固型分3%以上,不溶成分1%以上で液状)産業廃棄物汚泥(以下廃棄物汚泥と略記)中の微量クロム(VI)の定量法について検討した.試料中に主として水酸化物として存在する大量の重金属類をpH 9.5でジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC)と錯化反応させ,メチルイソブチルケトン(MIBK)に抽出除去した後,pHを6.0に下げてクロム(VI)とDDTCとを錯化反応させ,これをMIBKに抽出して原子吸光分析を行った.本法によれば,重金属類(銅,亜鉛,鉄,マンガン,ニッケルなど)1000mg/kg程度,クロム(III)1000mg/kg,還元剤(亜硫酸ナトリウムなど)10%程度と,更に若干の酸化剤及び有機物の共存が許容される.亜硫酸ナトリウム7%,鉄300mg/kg,銅900mg/kg,マンガン60mg/kg,亜鉛40me/kg,と少量の有機物を含む廃棄物汚泥中のクロム(VI)(1mg/kg 程度)を変動系数4.4%で再現性よく迅速に定量することができた.検量線は0〜4 mg/kgの範囲で良好な直線となり,感度は0.067*g/g/1%吸収であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1982-10-05
著者
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高橋 敬子
(株)高見沢分析化学研究所
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小笠原 正弘
(株)高見沢分析化学研究所
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高橋 信雄
(株)高見沢分析化学研究所
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小川 裕子
(株)高見沢分析化学研究所
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黒河内 清子
(株)高見沢分析化学研究所