液体シンチレーション測定法による空気中のRn-222及びRn-220の定量
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概要
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液体シンチレーションカウンター(以下LSCと略記)を用いて空気中のラドンを定量するための基礎的条件を検討した.ラドンを液体シンチレーター(以下LSと略記)を含む簡単な吸収装置で吸収させ,放射能をLSCで測定した.LSCの積分計数法における0レベル補外値(α及びβ線に対する計数効率100%に換算した計数値)を求める方法として,クエンチング補正法を用いた方法を適用し,検出限界を1/10程度まで下げることができた.市販の大容量LSCを使用して,100分間の放射能測定を行った場合,^<222>Rnの検出限界は0.1pCi 1^<-1>(標準偏差の2倍)であった.^<222>Rnに比較して^<220>Rnが多く含まれている試料では,バネープロットを併用することによって両者の分離が可能であった.本法によって地上1mの空気中^<222>Rnを定量したところ,(0.1〜0.4)pCi 1^<-1>という値が得られた.又,地熱噴気中の^<222>Rn及び^<220>Rnの同時定量を試みたところ, <222>Rnは3.1×10^<-11>Ci 1^<-1>,^<220>Rnは1.37×10^<-8>Ci 1^<-1>であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-08-05
著者
-
松岡 信明
(財)九州環境管理協会
-
岡村 正紀
(財)九州環境管理協会
-
平井 英治
(財)九州環境管理協会
-
白石 直典
(財)九州環境管理協会
-
高島 良正
九州大学理学部
-
高島 良正
(財) 九州環境管理協会
-
百島 則幸
熊本大 理
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