遊離脂肪酸の比色分析法におけるトリエタノールアミンと酢酸の役割
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Duncombe法並びにItaya-Ui変法によるステアリン酸の比色定量の検量線は,詳細に見ると直線性からのずれを示し,又ステアリン酸に対して化学量論的な量以上に銅(II)錯体がクロロホルム相に抽出されることが判明した.これらの現象は,系に共存する酢酸が高級脂肪酸とともに共抽出されるためであると考えられる.赤外吸収スペクトルや有機相中における化学平衡の解析から,トリエタノールアミン(B)がやはり共抽出されることが判明した.カプリン酸(HA)のべンゼン溶液中においては,Cu_2A_4(HA)BやCuA_2(HA)_3Bという混合配位子錯体を形成する.この抽出比色法においてトリエタノールアミンは不可欠かつ最も効果的であることが分かったが,それは以上のような事情によるものと考えられる.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-07-05
著者
関連論文
- 化学と分析化学と
- 遊離脂肪酸の比色分析法におけるトリエタノールアミンと酢酸の役割
- 溶液内反応の平衡論的ならびに速度論的研究とその分析化学への応用 (1970年度日本分析化学会学会賞受賞者〔業績紹介〕)
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論-8-(講座)
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論-5-
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論-4-
- 溶媒抽出の二,三の問題
- 金属イオン緩衝液と配位子緩衝液
- 溶媒抽出法
- 出会いとふれあい50年
- 「酸と塩基」の考え方
- 酸と塩基
- 多量体の抽出,共抽出および抽出阻害 (錯体形成による金属の抽出)
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論 V
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論IV
- 溶媒抽出の二,三の問題
- 金属イオン緩衝液と配位子緩衝液
- 溶媒抽出法
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論 VI
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論VII
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論 I
- 分析化学者のための熱力学と反応速度論III
- 分析化学者のための熱力学および反応速度論 II