誘導結合プラズマ発光分析法による池中の微量元素の定量
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概要
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誘導結合プラズマ(ICP)を光源として,各種油試料中の微量元素を発光分析することを検討した.有機溶媒をプラズマに導入するために,市販の分析装置の試料導入部に二,三の改良を加えた後,最適分析条件を求めた.市販の配合試料をメチルイソブチルケトン(MIBK)で希釈したもの及び粉末有機金属試薬を溶解して基油を加えたものを検量線試料として検討した結果,いずれの場合も使用が可能であることが明らかとなった.適宜希釈した重油中のニッケルとバナジウム,食用油中のリンとケイ素が粘度の影響もなく高い正確度と精度で定量できた.使用潤滑油中の摩耗金属の定量は粗大なきょう雑物を多量に含む試料に関しては完全な回収率は得られなかったものの,原子吸光法及び回転電極法より再現性が良く,変化量を知る分析法としては有効な方法であると思われた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-02-05