平衡濃縮法による環境大気中のフェノール類の分析
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概要
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環境大気中のフェノール類をガスクロマトグラフ(GC)を用いて測定する目的で,大気を適当な分配剤に通気してフェノール類に関して大気と分配剤との間に濃度平衡を達成させた後分配剤からフェノール類を加熱により回収してGCで定量する"平衡濃縮法"を研究した.はじめにNMR試料管を応用した簡便な拡散セルによりフェノール,p-クレゾール及びp-エチルフェノールの3成分混合ガスをppm〜ppbの濃度で連続的に作製し,その濃度変動が標準ガスとして使用するに十分小さいものであることを確かめた.そこでこの標準ガスを固定相液体OV-17を塗布した担体を充てんした濃縮管に通気して,標準ガス濃度と,これに濃度平衡にある濃縮笹分配剤から回収されるフェノール類の量(クロマトグラムのピーク面積)との関係を検討した.この結果,濃縮管の温度が一定のとき標準ガスの濃度とピーク面積との間に良い直線関係が成立すること,標準ガスの濃度が一定のとき濃縮管の絶対温度の逆数とピーク面積の対数との間に良い直線関係が成立することなどを確かめた.これらの検量線をもとにp-エチルフェノール脱水素プラントの作業環境大気中のフェノール類の濃度を定量した.本法の定量下限は5ppbであった.
- 1979-01-05