フレームレス原子吸光法による海域底質中のカドミウムの定量における共存成分の影響
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概要
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海域底質試料1g(乾燥重量)を化学処理して最終試料容量を100ml とした.この試料溶液をフレームレス原子吸光法に直接共試する場合問題となる溶液中の共存成分の影響を検討した.ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,鉄,アルミニウム,ケイ素,マンガン,亜鉛,銅について検討した結果,溶液中の金属の最大濃度がカドミウムの吸光度に影響を及ぼすものとしてはマグネシウムが200ppmで44%,鉄が200ppmで28%,亜鉛が8ppmで20%ほどカドミウムの吸光度を減少させた.カドミウム10ppbを含む溶液中に10元素を塩化物として実試料の平均と最大濃度に相当する量を加えて底質試料と同様な処理を行い,検量線法,標準添加法を検討した結果,底質試料溶液を10倍に希釈した後標準添加法を用いることによりほぼ満足する結果を得た.本法を用いて広島県広湾底質中のカドミウムを定量した結果,カドミウム濃度は(0.56〜2.36)ppmであった.又,本法の10回の繰り返し実験による標準偏差パーセント(R.S.D.)は4.0%であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1978-09-05
著者
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