アルシン-原子吸光法による微量ヒ素定量における湿式分解法の食品試料への適用
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概要
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硝酸-硫酸-過塩素酸を用いる簡易かつ迅速な湿式分解法の各種食品試料への適用性を検討した.食品試料を無ヒ素ホウケイ酸ガラスビーカーに採り,最初硝酸のみで穏やかに加熱分解した後,硫酸,過塩素酸を加え,必要なら硝酸を追加しながら強熱し,分解液が1ml以下になるまで濃縮して分解を完了させる.本分解法は従来法における試料分解液のシュウ酸アンモニウム添加再分解及び中和の操作が省略でき,分解所要時間は(1.5〜2)時間であった.各種食品についての無機態ヒ素あるいは有機態ヒ素の標準添加回収試験は満足すべき回収率を示し,本分解法に対する食品のマトリックス及び添加ヒ素の形態による影響は認められなかった.又,多量の食塩の共存も影響を与えなかった.分解・測定を通じての精度は,R.S.D.%で三酸化ヒ素0.1μgで(5〜8)%,0.4μgで(1〜4)%であった.NBS標準試料のオーチャードリーブズを本法で分解したものの測定値は,保証値と極めて良く一致した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1977-12-05
著者
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