高速液体クロマトグラフィー/大気圧化学イオン化質量分析法によるポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤の分析法の検討と河川水への応用

概要

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環境水をガラス瓶で採水し, 試料水に含まれている界面活性剤をXAD-16カラムに濃縮した.メタノール溶出後, 溶出液を50%エタノールに置換し, 陰陽イオン交換樹脂カラムを用いて試料中のイオン性界面活性剤を除去した.溶出液を超純水に置換した後, チオシアン酸コバルト法で非イオン界面活性剤の測定を行った.更に, カーボンカラムTSK gel Carbon-500(10cm×4.6mm, i.d.)と溶離液メタノールによるHPLC分離後, 大気圧化学イオン化質量分析法(APCI-MS), APCI-MS/MSによる同定を行った.カーボンカラムを用いることで非イオン界面活性剤を, エチレンオキサイドの付加モル数の違いにより容易に分離できることを見いだした.高浜運河排水試料中に含まれる主な非イオン界面活性剤は, ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルであり, エチレンオキサイドの付加モル数が5,6,7,8,9,10,11,12,13,14であることが本法によって確認できた.又, APCI-MSにより, 従来報告のなかった新しい非イオン界面活性剤を環境水中から見いだした.
社団法人日本分析化学会の論文
1997-07-05