シャープペンシルのしんを作用電極, 金を参照電極とする電気化学系を用いた定常流の都市水道水中に溶存するオゾンの定量分析
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概要
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シャープペンシルのしん(GRC)電極を用いて, 定常流の中でアンペロメトリーによってオゾンを分析する装置を作製した.支持電解質を加えない都市水道水にオゾンを溶解させて定常電流電位曲線を測定したところ, 限界電流が得られた.2週間後に測定したところ, 0.2V程度の電位がシフトしたが, これは銀/塩化銀参照電極における電位の不安定さによるものであった.都市水道水中のオゾン測定に耐え得る参照電極を探したところ, 金線が最も安定した電位を示した.-0.8V vs.Auでの限界電流は, 10〜250μmol dm^-3のオゾン濃度領域において, 濃度に比例した.2か月の連続使用に対しても, GRC電極における限界電流は減少しなかった.一方, 金及び白金電極は劣化が速く, 実用に不向きであった.通常の都市水道水に見られる導伝率の変動範囲0.1〜0.3mS cm^-1,及び使用可能性のあるpH範囲4〜9では, 電流は導伝率及びpHに依存しなかった.温度及び流量による電流の変動は無視できなかったので, センサーに応用する場合には補正する必要があることが分かった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1992-08-05
著者
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