アルミニウム-シッフ塩基錯体の加水分解反応の抑制効果を利用するシュウ酸イオンの蛍光フローインジェクション分析
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概要
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サリチルアルデヒドはエチレンジアミンと反応しシッフ塩基を生成する.このシッフ塩基は, アルミニウムと反応し蛍光性の非常に不安定な錯体を形成する.この錯体の分解速度はシュウ酸イオンの共存により抑制されるため, この現象を利用するシュウ酸イオンの定量法についてFIAにより詳細に検討した.キャリヤー中に導入した試料(90μl)中のシュウ酸イオンの濃度はフロ-セルを通過する際の蛍光強度(λ_<ex>=360,λ_<cm>=460nm)として得られた.本法はシュウ酸イオン0〜20ppmの範囲で良好な直線性(r=0.999)を示し, 検出限界(S/N=3)は0.15ppmであった.シュウ酸イオン2.0ppmに対するRSD(n=15)は2.6%であった.又その分析処理速度は1時間当たり最大40検体であり短時間でシュウ酸イオンの分析が可能であった.マロン酸イオン, フッ化物イオンは正の妨害を示した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1992-10-05
著者
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