ステロイドのドーピング分析と異同識別
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概要
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スポーツドーピングや法医学・裁判科学の分野ではしばしば目的とする化学物質の由来が問題になる. 複数の同一分子種の由来が同じであるか否かを調べる異同識別の方法には, 原末の場合には合成過程で混入する微量の原料物質・副生物や触媒などの組成を調べる方法がある. また, 生体試料の場合には, 健常者のデータとの統計的な比較によって, 生理的にはあり得ない数値であることを立証する間接的な手法が用いられてきた. 近年GCと同位体比質量分析計との接続によって, 個別分子の同位体比を連続的に測定できるようになり, ステロイドホルモンのキャラクタリゼーションにも用いられるようになってきた. 食物中の動物性コレステロールと植物原料から合成される医薬品ステロイドとの間には, 炭素の安定同位体比に有意の差があるため, 炭素同位体比を調べることによって, 観察された異常が生理的なものであるかドーピングによるものであるかを区別することができる. ここではタンパク同化ステロイドと成長ホルモンなどを例に, ドーピング検査で用いられている最近の異同識別の手法について考察する.
- 2001-05-05
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