マイクロ波加熱分解法と熱外中性子放射化分析法による土壌試料中ヒ素の迅速定量法の検討
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概要
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多数の土壌試料中のヒ素含有量を迅速に定量できる方法について検討した. 水素化物発生法(HG)と, AAS又はICP-AESを組み合わせてヒ素を定量する場合, 測定前に試料を溶解する必要がある. そこで前処理法に市販されている2社のマイクロ波加熱装置を使用して, 標準試料中のヒ素分析にかかる時間の短縮を試みたが, どちらの装置で分析してもヒ素を含むと推測される難分解性有機物が残留物となり, 定量は困難と判断した. 次に, カドミウムフィルターを使用してヒ素の感度を上げる特殊な放射化分析法である熱外中性子放射化分析(ENAA)を用いて, 標準試料と湖底堆積物試料中のヒ素の定量を行った. 20分間測定での定量限界値(10σ)は約0.9ppmであり, これは土壌標準試料中のヒ素を定量するには十分低い値である. ENAAは非破壊分析であるため, HG/ICP-AESに比べて作業量は極めて少なく, 実際に7日間で100試料中のヒ素を定量できたので, ICP法よりも迅速な分析法であると考えている. したがって, ENAAは多数の土壌試料中のヒ素の定量を可能とする手法であることが分かった.
- 2001-04-05
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