逆相液体クロマトグラフィーにおける物質移動現象の解析
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概要
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逆相液体クロマトグラフィー系の物質移動現象について解析的研究を行った. 様々な分離条件下において測定したピークの一次, 二次モーメントを解析し, 物質移動平衡や速度及びその熱力学的特性に関する情報を得た. 等量吸着熱は試料物質の蒸発熱よりも小さく, これはソルボフォビック理論により説明できた. カラム内における全物質移動抵抗に対する充てん剤粒子内拡散の寄与は重要であり, 又表面拡散は粒子内拡散に対して支配的な役割を果たしていた. 表面拡散の活性化エネルギーは等量吸着熱よりも大きな値として観測されるが, これは絶対反応速度論に基づく解析により説明できた. 逆相液体クロマトグラフィー系の表面拡散現象については, エンタルピー-エントロピー補償効果と直線自由エネルギー関係が分離条件によらず成立した. モーメント解析理論に基づきクロマトグラフィー分離の無次元化速度式を提案した. カラム効率に対する分離パラメーターの影響を数値解析的に検討した. その際, カラム内の各速度過程の寄与を分離して評価した. 表面拡散現象の解析により, 逆相液体クロマトグラフィー系の分離機構を解明する上で重要な情報が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-11-05
著者
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