液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化質量分析法を併用する複合質量スペクトルマッピング法による血管拡張性組み換えペプチドの構造解析
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概要
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FABとMALDIを相補的に用いるタンパク, ペプチドの複合MSマッピング法に更に液体クロマトグラフィー/エレクトロスプレーイオン化質量分析法(LC/ESI MS)を組み合わせて, その有用性を検討した. 試料としてスナバエ由来の血管拡張性ペプチド組み換え"Maxadilan" (r-Max)を用いた. ESIでは質量数測定精度が高いため, r-Maxの直接測定により, 2か所の分子内ジスルフィド結合が確認された. 還元後, カルボキシメチル化したr-Maxのキモトリプシン消化物のLC/ESI MS測定では, FABやMALDIでは検出が困難であった親水性が高く, かつ質量数が小さい消化物も検出され, 全一次構造がマッピングされた. r-Maxのトリプシン消化物のLC/ESI MS測定により, Cys^5-Cys^9とCys^<18>-Cys^<55>を含む消化物が検出され, 1回の測定でジスルフィド結合位置も決定された. これらの結果から複合MSマッピング法におけるLC/ESI MS法の位置付けが示された.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1998-01-05
著者
-
田島 正裕
(株)資生堂
-
吉田 誠一
(株)資生堂研究開発本部安全性・分析センター
-
高松 翼
(株)資生堂研究開発本部安全性・分析センター
-
田島 正裕
資生堂 素材・薬剤開発セ
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高松 翼
株式会社資生堂 安全性・分析センター
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高松 翼
(株)資生堂研究開発本部安全性・分析センター分析研究グループ
-
吉田 誠一
(株)資生堂基盤研究センター
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