1,3-ジメチル-2-チオ尿素及びブロモクレゾールグリーンを用いる白金(II)の溶媒抽出

概要

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対陰イオンとしてブロモクレゾールグリーンを,抽出溶媒として1,2-ジクロロエタンを用いて1,3-ジメテル-2-テオ尿素(DMTU)による白金(II)の抽出挙動を検討した.有機相の吸収スペクトルを測定したところ413nmに吸収極大が認められた.そこで,413nmにおける吸光度を測定することにより白金(II)の抽出を追跡した.DMTUによる白金(II)の抽出は速く,15分以内で白金(II)が定量的に1,2-ジクロロエタン中に抽出された.DMTUによる白金(II)の抽出に及ぼすpH,DMTU濃度及び塩化物イオン濃度の影響を調べた.pH3.3から4.2の間でほぼ一定で最大の吸光度が得られた.1.0×10^<-2>M以上のDMTU濃度で一定の吸光度が得られ,0.5M以下の塩化物イオンはほとんど抽出に影響を及ぼさなかった.抽出吸光光度定量へ応用するため,8種類の金属イオンと3種類の陰イオンについて妨害を検討した.硫酸イオン,硝酸イオン,過塩素酸イオン,コバルト(II)及びニッケル(II)は白金(II)の定量を妨害しなかった.マンガン(II),銅(II),亜鉛(II),パラジウム(II),銀(I)及びカドミウム(II)の妨害は1,5,9,13-テトラチアシクロヘキサデンカンによる抽出分離とEDTAの添加により抑制できることが分かった.
2003-09-05