液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法による大気中のフタル酸エステル類の定量
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概要
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液体クロマトグラフィー/タンデム質量分析法 (LC/MS/MS) により,プラスチック添加剤であるフタル酸ジイソノニル (DINP),フタル酸ジイソデシル (DIDP),フタル酸ジイソトリデシル (DITP) を大気から検出する手法を開発した.イオン化法として大気圧化学イオン化法 (positive-APCI) を用い,生成した [M + H]^+ イオンをコリジョンセルで窒素ガスと衝突させてフラグメントイオンを生成させた.大気試料は毎分12〜14 lで24時間石英繊維〓紙に採取し,アセトニトリルで抽出した.フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)-d_4 (DEHP-d_4) を内標準物質として添加した.添加回収率は94〜102%,相対標準偏差は4.3〜8.7%,検出下限は0.05〜0.8 ng/m^3であった.本法を用いて環境大気や屋内空気を分析したところ,クリーンルーム内の空気も含めてDINPが1.2〜9.6,DIDPが0.1〜1.4 ng/m^3検出された.DINPなどは難揮発性である上,多数の異性体混合物で,ガスクロマトグラフで精度良い分析を行うことは困難であったが,本法によって空気中のDINPなどを高感度に定量することができた.
- 2003-01-05
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