F28 テトラフェニルポルフィリンの合成とリチウムイオンの分離・検出への応用
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概要
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テトラフェニルポルフィリンの炭素に結合している水素を全部フッ素に置き換えた,28個のフッ素を含むポルフィリンを 3,4-ジフルオロピロールとペンタフルオロベンズアルデヒドとの縮合反応により合成した.3,4-ジフルオロピロールは 2,2,3,3-テトラフルオロコハク酸を出発原料としてそのジエステル,アミド,イミド,ピロリジニウム塩酸塩を経て 5 段階の反応で合成した.合成したポルフィリンの酸解離反応とりチウムイオンとの反応を,UV/Vis スペクトルにより調べた.その結果,28個のフッ素原子の強い電子吸引性のため,ポルフィリン (H_2P) の塩基性が減少し,pH 4 と 8 でピロールの窒素に結合したプロトンの解離が観測された {(H_2p)_o + Na^+ ⇌ [(HP^2-) (Na^+)_2]_o, pK_a3 4.2; [(HP^-)(Na^+)]_o + Na^+ ⇌ [(P^2-)(Na^+)_2]_o, pK_a4 8.0}. 更に合成したフッ素ポルフィリンは pH 5 以上でリチウムイオンと反応し,クロロホルムへの抽出分離が可能となった.
- 2002-09-05
著者
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