不活性ガス融解法による窒化ウラン中の窒素と酸素の同時定量
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概要
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熱伝導度検出器及び非分散赤外吸収検出器を用いた不活性ガス融解法により窒化ウラン中の窒素,酸素同時分析法を提案する.窒化ウランは,空気中において酸化されやすいことから,分析前の酸化による窒素の損失を避けるため,試料の破砕,重量測定,ニッケルカプセルへの採取,封入等の試料調製は,高純度アルゴン雰囲気グローブボックス内で行った.ニッケルカプセルへ封入した試料は,黒鉛るつぼに移し入れた後,ヘリウム雰囲気の抵抗加熱炉内で約2800℃に加熱する.融解した試料から抽出されたガスは,圧力調節器及びニードルバルブの調整によって,約1/5及び4/5に分割される.窒素ガス及び一酸化炭素として抽出された窒素及び酸素は,それぞれ熱伝導度検出器及び非分散赤外吸収検出器で定量される.使用する試料はわずか30mgであり,分析時間は約10分である。窒化ウランを用いた分析の結果,本法の相対標準偏差は,窒素で約1.2%,酸素で約2.7%であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2002-01-05