チオピリンによるルテニウムの吸光光度定量
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概要
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チオピリンによるルテニウムの吸光光度定量法について検討した.ルテニウム(III)はチオピリンと反応して水溶性の青緑色の錯体を生成する.錯体は700nmに吸収極大を示し,その吸光度はPH1.0〜4.5で一定である.反応を促進するために80℃の水浴中で15分間加温する.ルテニウム(III)濃度が0〜20μg/mlの範囲でベールの法則に従い,見掛けのモル吸光係数は5.5×10^3cm^<-1>mol^<-1>dm^3である.ルテニウム(IV)を含有する試料はあらかじめルテニウム(III)に還元した後,チオピリンと反応させる.27種類の共存イオンの影響を検討したが,オスミウム(VIII)を除けば他のイオンはほとんど妨害しない.定量に利用したルテニウム錯体の化学種は,過塩素酸塩として単離した化合物の性質からヘキサチオピリンルテニウム(III)錯イオンと推定された.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1977-09-05
著者
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