トークンリングを介した高速データ転送制御に関する一検討
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概要
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プロセッサ間を、ネットワークを介して接続するプロセッサ間通信システムにおいて、長データを転送する方式には、ネットワークアダプタ(以下、アダプタ)内に十分大きなバッファを用意し、バッファ長までのデータを一括して送信する方式(一括転送方式)が、一般に採用されている。この方式では、プログラムが指定するデータ長は、バッファサイズで制限される。また、アダプタ内のデータバッファに一旦全データを収容した後、送信先アダプタにデータ転送されるため、プロセッサ-プロセッサ間のデータ転送が総て直列に行われることになる。これに対して、アダプタ内に一定の大きさで複数(一般的には2個用意し、交互に切り替えて使用すれば良い)のデータバッファを設け、ひとつのバッファに対してプロセッサからデータ転送を行っている間に、他のデータバッファの内容をリングを介して送信先アダプタへ転送を行う方式(分割転送方式)が考えられる。この方式では、プログラムが指定するデータ長に制限を加えない。また、送受信双方向のプロセッサ-アダプタ間のデータ転送、アダプタ-アダプタ間のデータ転送が総て並行して行われるため、電文通過時間を短縮することが可能になる。特に、アダプタ-アダプタ間のデータ転送速度が、プロセッサ-アダプタ間のデータ転送速度より速く、送信権獲得のリアルタイム性が高い高速トークンリングネットワークにおいては有効な方式と考えられる。しかしながら、分割転送方式の場合、フレームの送信、受信処理の回数は、一括転送方式の場合と比較して、分割転送回数分だけ増加する。このため、分割転送データ長を短くして分割転送回数を増加させると、アダプタの送受信制御に要する内部処理時間とアダプタ-アダプタ間の転送時間の和が、プロセッサ-アダプタ間の1分割データ当りの転送時間に比べて、相対的に長くなり、逆に電文転送時間が長くなる。本検討では、アダプタの内部処理時間と最適な分割転送データ長との関係を求めることにより、性能的に分割転送方式の適用が有効となる領域を明らかにする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1986-10-01
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