高速LAN構築への光無線方式の適用性

概要

論文の詳細を見る
近年, マルチメディア情報の普及に伴い, ネットワークに対する高速化の要求がますます高まってきている。そのため100Mbps Ethernet, 155Mbps ATM LAN等が普及してきているが, 公衆網や専用線を経由する場合, 通信速度やコスト等の問題からの制約により, 実効的な通信速度は10Mbps Ethernetにも及ばない状態である。そこで最近, 比較的近距離にあるビル間等を簡易に接続する手段として, 無線方式が実用化しつつある。光無線方式は電波方式のような制約が無く, 光の持つ広帯域性を活かせるため, 高速LANへの適用が期待されている。ただし, 屋外での光無線方式は気象等の影響を受け易いため, これまでは近距離でかつ10Mbps程度の速度での利用にとどまっていた。しかし, インターネット等のコンピュータ間通信では, 平均的に大きな回線容量が確保されれば瞬間的な回線速度の低下は許容されるようになってきた。そこで今回我々は, 数kmの比較的長距離における光無線方式の155Mbps ATM LANへの適用実験を行い, 光無線方式の高速ネットワークへの適用性に対する検討を行ったので報告する。
社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24