緩い一貫性に基づいたグループウェアのための共有オブジェクト空間の実装

概要

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従来のアプリケーションに対するグループウェアの特徴は、図形や文書などのデータオブジェクトを複数のアプリケーションの間で共有し、共有されたオブジェクトを複数のユーザの間の対話的な協調作業を通じて加工してゆく点である。したがって、あるアプリケーションにおいて共有オブジェクトが変更された場合、これを他のアプリケーションにも反映させる必要がある。そこで本研究では、グループウェアの開発基盤として、分散システム内で共有されたオブジェクトの変更をアプリケーションに対して通知する機能を持ったアクティブな共有オブジェクト空間をC++の拡張機構として提供する。共有オブジェクト空間の実装においては、共有オブジェクトの複製の間の一貫性保持のためのメッセージ通信のオーバーへッドが問題となる。本システムでは、分散共有メモリで使われる緩い一貫性制御プロトコルを応用し、共有されたデータオブジェクトに対して、アプリケーションの必要に応じた強さの一貫性保持プロトコルを指定することによって、メッセージ通信のオーバーへッド削減を図る。
一般社団法人情報処理学会の論文
1993-09-27