ソフトウェアの疲労故障とその検出法
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概要
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システム共用資源に対して不当な解放忘れエラーを有するプログラムが存在し、長時間に渡る運転中に資源浸食を繰り返したために資源不足によるシステム障害を生じるケースは、ソフトウェアにおける疲労故障と呼ぶにふさわしいと言える。システム共通作業域(メモリ)の解放忘れエラーはその代表的なものの一つである。この種の故障発生を防止する為に、従来、システム閉塞直前の共通作業域使用状況を収集してチェックする方法を採っていたが,システム閉塞まで解放されないバックグラウンド作業域がノイズとなりチェック効率を落としていた。本論文では、システム開始時と閉塞時など、時系列的な2点間の作業域使用状況の差分比較方式によるチェック方法を提案する。本方式によって、大規模オンラインシステムのオペレーションシステムプログラムのチェックで、約1600個のノイズを消去しチェック対象を約80個に絞り込むことが出来るなどその有効性を示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04