ソフトウェアの簡易品質評価の実験
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概要
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ソフトウェアの品質を向上させるには、開発技法、開発環境、及び開発体制の強化を図り、開発段階で確実に品質を作り込むことが最も重要であることは言うまでもないが、ソフトウェアバグの利用者に与える迷惑度を考えると、利用者の立場にたった開発部門とは別の部門による検査・確認も大切である.しかし、マシンによる製品検査は、検査環境等も大きくなり一件当たりのバグ修理費用が膨大となる.また、ソフトウェア開発工程の最後に位置するため、検査不合格時の品質向上期間が確保出来ないと言う課題がある.この為、製品検査の実施に先立って、品質の作り込み状況を探針・評価することが重要となる.品質評価手法には、試験の進行に伴うバグの成長傾向から評価する縦方向予測法や、品質決定要因値を経験式に当てはめて評価する横方向予測法が知られているが、試験進捗が均一でないとバグ成長の軌跡が不正確になる、経験式を求めるのは困難等の問題がある.本論文では、バグの検出率や収束率等により簡易に品質を評価する手法を提案する.また、本手法を大規模オンラインシステムのオペレーションシステムを構成するプログラムの品質評価に適用させたところ、品質が悪いプログラムの指摘に有効であったことを示す.なお、ここで言う品質とは、信頼性のことを示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04