研究開発プロジェクト群の評価支援システム
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概要
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各研究開発プロジェクトやその課題等を個々に分析する方法は,これまでにも多数提案されている.特に,研究開発プロジェクト自身を的確に評価するには,経済的側面の効果だけでなく,その研究開発プロジェクトが対象としている技術の他分野への伝播関係や発展方向を十分に考慮する必要がある.これは,複数の研究開発プロジェクトを効果的に計画し,実施するためにも重要である.また,これらの評価には,技術動向などの知識を必要とし,多数の専門家の経験的判断が必要になる.さらに,各プロジェクトが対象とする研究や技術の相乗効果を促すための評価には,互いの影響を広い範囲にわたって探索しなければならない.このように,技術伝播を基にして,さまざまな研究開発プロジェクトを評価するには,特に広範な情報や知識を必要とする.そこで,本論文では,知識処理を用い,技術伝播を基に効果的な支援環境を提供する評価支援システムKORE/RDSSについて論じる.提案する評価支援システムは,知識処理機構を利用し,次の2つのレベルの機能を提供する.(1)広範な技術伝播のネットワークを作成し,プロジェクト情報を整理・統合して利用するレベル.(2)対象とする技術をカテゴリに分類し,それらの関係知識を用いて,技術の伝播関係を広い範囲で評価するレベル.(2)では,広義の意味で発見的な探索が可能なように,伝播規則に基づく評価支援機能を実現している.この伝播規則には,評価対象のおよぶ範囲を拡大するための技術移転知識や技術レベル移行知識などが含まれている.本論文で示す評価支援システムの適用結果は,省エネルギー技術開発プロジェクト群を事例としたものである.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1989-03-15
著者
関連論文
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