PIMOSの例外処理方式
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概要
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PIMOSは並列推論マシン用OSであり、ユーザ.プログラムを監視・制御しユーザの過ちからシステム全体、ひいてはユーザ自身を守ることを主な仕事としている。PIMOSはFlat GHC(FGHC)を基本とするKL1で記述され、ユーザ・プログラム自身もKL1で記述される。FGHCでは全てのゴールが論理積関係にあり、一つのゴールの失敗は全体の失敗を引き起こす。このことは、ユーザの異常状態がシステム全体に伝播することを意味している。また全てのゴールは同一レベルにあり、あるゴールが他のゴールを安全に監視・制御するのが難しい。そこでゴール間に何らかの階層を導入する機能が必要となる。このためにKL1に導入した機能が荘園機能である。荘園機能によって、監視・制御するプログラム(メタレベルプログラム)と監視・制御されるプログラム(オブジェクトレベルプログラム)を分離し階層化することができる。PIMOSはこの機能を利用してユーザレベルとOSレベルを分離し、ユーザプログラムを監視・制御している。荘園機能を用いることにより、ユーザレベルの失敗をOSレベルに侵出させないようにできる。また、異常状態からの復帰等も可能となる。本稿では、荘園機能を用いたPIMOSの例外処理方式について述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
-
藤瀬 哲朗
(株)三菱総合研究所
-
近山 隆
(財)新世代コンピュータ技術開発機構第二研究室
-
佐藤 裕幸
東京農工大学工学部電子情報工学科
-
松尾 正浩
(株)三菱総合研究所
-
佐藤 裕幸
(財)新世代コンピュータ技術開発機構
-
越村 三幸
(財)新世代コンピュータ技術開発機構
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