ウェーブレット変換を利用した医用画像の画質向上手法SENRUWの開発
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概要
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医用画像には, 画質を損なう様々なノイズが存在し, また, 観察対象部のコントラストが必ずしも高くない場合も多い。このため一般に, 医用画像に対する画質向上要求は, 高度で複維なものとなる。メディアンフィルタ, アンシャープマスキングなどの簡易的な空間フィルタ手法では, 単調なノイズ低減やエッジ強調のみとなり, 要求水準に遠く及ばない。エッジ保存平滑化フィルタのように, 領域特徴量を計測して効果を適応制御する手法も各種提案されているが, 医用画像に対しては満足な画質向上効果が得られない。これは, 要求の複雑さに対処するには, 手法の持つ画像解析能力が不十分であるためと考えられる。今回, ウェーブレット変換の多重解像度解析を利用した画質向上手法SENRUW(Signal Enhancement and Noise Reduction method Using Wavelet Transfom)を開発した。複雑な画質向上要求に応えて, ノイズ低減とエッジ強調を両立させることができ, 効果の調節も可能である。これについて報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24