MKngプロジェクトにおける組み込みシステム技術 : Machマイクロカーネル上のオンメモリ圧縮ページャの設計と実装

概要

論文の詳細を見る
ディマンド・ページングをサポートしているOSの下では, プログラムは主記憶よりも大きな領域を仮想記憶として使うことができる。しかし, 携帯機器, セットトップボックス, ゲーム機のようにディマンド・ページングに使える二次記憶を持たないハードウェア環境では一般に, プログラムがメモリとして使える領域の大きさは主記憶の大きさに制限されてしまう。この場合, 記憶領域を多く消費するアプリケーションを実行することは困難になる。並行して実行するアプリケーションが予め定まっている場合には, オーバレイ処理などをアプリケーションが行えば実行可能ではあるが, その場合アプリケーショシ・プログラムの開発は難しくなり, また仮想記憶に比べて実行効率も悪くなりがちである。またオーバレイでは, 複数のアプリケーションを対話的に並行して起動したり終了したりできるような環境を実現することは困難である。そこで, ディマンド・ページングに使える二次記憶を持たない環境のために, データを圧縮しながらオンメモリでディマンド・ページングを行うシステムを, RT-Machマイクロカーネル上に実装した。
社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24