多重故障を対象とした故障診断システム
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概要
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加工技術の微細化にともない, VLSI等の開発時における設計期間の短縮やコストの削減が重要になっている。また, 新品種立ち上げ時の障害は複数の故障が原因となっていることが多く, 効率のよい多重故障診断の手法を開発することが要求されている。これまでに幾つかの多重故障診断方法が提案されているが, 対象が縮退故障や短絡故障に限定されていたり, 専用のテスト入力を必要としたり, 計算時間が回路規模に対し指数的に増加するといった問題があった。また, EB(電子ビーム)テスタによる方法においては, 外部ピンに比べ観測コストが高いことから測定点の紋り込みが重要である。DUTの外部出力における観測値から, 故障個所指摘を行う方法は, 縮退/短絡故障が混在する多重故障においても高い確度で少くとも一つの故障が見つがるものであり, テスト入力も単一縮退故障用のものでよい。今回, この手法に基づき運用システムを開発した。本稿では, 実現したシステムの概要を示し, 実デバイスでの評価結果よりその有効性を示す。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-09-24