UNIX上RDBアプリケーション制御方式の検討

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サーバ型WSは、MIPS値の飛躍的な向上、OLTP向けリレーショナルデータベース(以下RDBと略す)管理システム技術の進展等により、RDBを利用したトランザクション型業務システムへの適用が進みつつある。トランザクション型業務システムを支援するクライアント・サーバ形態での定形型RDBアプリケーションは、端末とサーバマシンとの分散協調・連携型の方式をとり次の特徴がある。〔a〕サーバに接続される端末数が多く(数百~数千台)、通常運用時間に沿ってこれらの端末からサービス要求が発生する。〔b〕個々のRDBアクセス処理は予め予測可能な時間(短時間)で終了する様に設計される。しかし、UNIX-WS上で上記特徴を持つトランザクション型サービスを構築しようとすると、以下の問題がある。(1)UNIX上では、通常、fork(),exec()システムコールにより、1端末に対し1AP(Application Program)プロセスが張り付く方式(いわゆるTSS方式)が一般的である。更に、APは、RDBアクセスのためのライブラリのリンクに伴うコードの増加とともに、シャドウプロセスと呼ばれるRDBアクセス用のプロセスが1APに対し張り付く。従って、トランザクション型サービスで使用される端末起呼対応にAPプロセスを起動する本方式では、予測不可能なメモリ消費量となり、事実上システム設計不可能である。また、CPU/メモリ資源の利用の点に関しても、端末数分のプロセスがメモリ上に常駐すると、プロセススイッチ、メモリスワップのオーバヘッド等により著しく性能が劣化し性能予測困難である。(2)上記(1)に対し、同時接続数対応にトランザクション要求発生時に、プロセスを起動し、多数のプロセスがメモリ上に常駐するのを抑える方式が取られる場合があるが、fork(),exec()システムコールでは、性能が悪く、トランザクションの単位での使用には問題がある。そこで、本稿では、UNIX-WSをトランザクション型業務支援システムに適用する際の上記問題点に対し、リアルタイム型のDB/DC系プロセス(以下デーモンと称す)を導入し、トランザクション処理を実行するサービスプロセスを制御する方式(以下RTS方式と呼ぶ)を提案し、その有効性を評価する。以下では、UNIX上での一般的なプロセス構成と本稿で提案する方式の概要を説明し、本方式の有効性を評価するための評価実験について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28

UNIX上RDBアプリケーション制御方式の検討

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