分散型2次元見え方モデルに基づく顔画像解析

概要

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シーン中の人間の頭部からの顔部品の抽出は、顔を対象とした様々な画像理解研究の基礎的処理であるが、その自動化・汎用化は進んでおらず、人手による入力に依存している場合も少なくない。これは、顔の見かけの多様性のため、画像解析アルゴリズムを構築するに足る充分なモデル化を行なうことが困難なためである。本報告では、様々な見え方を呈する3次元物体の構造を解析する画像解析アルゴリズム構築の枠組としてDCTOPS(Distributed CTOPS)を提案する。先に我々が提案した並行トップダウン処理方式(CTOPS:Concurrent TOp-down processing Schime)は、3次元物体の見え方の変化に対応した複数の2次元見え方モデルを設定することによる、この問題へのアプローチであった。DCTOPSでは、2次元見え方モデルの設定を、物体の部分構造の見え方の変化にも拡張し、それぞれのモデルに基づく、複数の独立したエージェントを構築する。個々のエージェントは、自分自身のモデルの仮説に従い、互いに協調しながらトップダウン的にシーンを解析する。以下の章では、本手法による顔のモデル化と顔部品抽出システムの構成について述べる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1992-09-28