ソフトウェア分散協調開発の為の協調型設計過程支援アルゴリズム
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概要
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ソフトウェアの大規模化・複雑化に伴い、作業場所を一ヶ所に集中して開発することが困難になってきた。このため、一つのソフトウェア・システムを複数の作業場所の作業者が共同で開発する形態(=分散開発)を採らざるを得なくなっている。しかし、その割に分散開発が浸透していないのは、支援ツールなしでは分散開発を実施できないからである。分散開発を可能にするには、分散開発に必要な情報、特に作業の中間成果物などの大量のデータを遠く離れた作業場所に確実に伝送するツールが不可欠である。しかし、それだけでは充分ではない。何故なら、そもそもソフトウェアの開発作業というものは、複数の作業者間で協調して進めるべきものであり、しかも、分散開発においては、協調すべき作業者の作業場所が互いに遠く離れているからである。従って、これらの作業者間での協調過程を強力に支援するツールが必要である。従って、ソフトウェア分散開発を可能にするツールには、データ伝送機能と分散開発環境での協調過程支援機能の2つが必要である。ところで、ソフトウェア開発工程から見れば、下流工程では複数の作業がただ並行して進められればよく(=協調過程支援機能の必要性は低く、ときには皆無でもよい)大容量のデータ伝送機能が必要となる。逆に、上流工程では小容量のデータ伝送機能でもよいが、強力な協調過程支援機能が必要となる。故に、前者を指向した開発支援環境による開発形態を分散並行開発と呼び、後者を指向した開発支援環境による開発形態を分散協調開発と呼ぶ。分散並行開発を支援する環境としては、ICAROSのなどの研究があるが、分散協調開発を支援する環境の研究は殆どない。従って、ソフトウェア分散協調開発、即ち、分散開発環境でのソフトウェア設計作業を協調して進める過程を知的に支援する技術の開発が望まれる。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24
著者
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