オブジェクト指向データベースにおける継承機構に基づいたビューについて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年データベースの利用分野が広がるにつれ,より複雑なデータ構造を扱うことができるデータベースシステムが求められるようになっている.これらの要求への対応策としてオブジェクト指向データベースシステム(以下,OODBと略す)が提案されている.そのような複雑なデータ構造を扱うOODBでは,唯一の複雑なスキーマが全ユーザーに強制され,また,スキーマの変更に対しての柔軟性が欠ける点が欠点として指摘されている.これらへの解決策として,OODBへの仮想クラスの機能の導入が研究されている.仮想クラスは従来の関係データベースにおけるビューにあたるもので,実現のクラス(ベース・クラス)に対する問い合わせに基づいて定義されるクラスである.しかし従来の仮想クラスのアプローチでは,仮想クラスに対してはインスタンスの生成が出来ないなど,仮想クラスが通常のクラスと同等には扱えない.これは,従来の仮想クラスでは情報の流れがベース・クラスから仮想クラスへの一方向であり,ベース・クラスと仮想クラスが対等ではないためといえる.本研究では,通常のクラスと全く同等に扱える仮想クラスの定義を可能とするために,従来の継承の機構を変更・拡張することによって,仮想クラスの機能を継承機構の概念と統合した形で導入したデータ・モデルについて提案する.また,このモデルが,ユーザー毎の外部スキーマの提供や,クラスの複数のヴァージョンの管理や,クラス階層の動的変更に対しても有用であることについても述べる.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24
著者
関連論文
- 高階遠隔手続き呼出しに基づいたC言語について (分散オペレーティングシステム)
- 遠隔手続き呼び出しに基づいた分散C言語について
- 開放的分散オペレーティングシステムXEROの設計
- プロセス・ネットワークによる分散型オペレーティング・システムの性能に関する考察
- 分散OS XEROにおける複合オブジェクトに基づいたファイルシステムについて
- オブジェクト指向データベースにおける継承機構に基づいたビューについて
- ストリーム指向型関係演算処理におけるバッファ資源割り当ての計算方式
- HyperText Transfer Protocol による協調的なメールシステムの研究
- 分散OS XEROにおける協調処理のためのトランザクション機構の検討
- 関数型計算モデルのデータベース処理への適用 (関数型プログラミングとその応用)