入出力関数の傾きとバイアス値の動的な調整による局所安定点回避効果
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
対称相互結合型ニューラルネットにおけるエネルギー極小化の性質を利用するとある種の組合せ最適化問題を近似的に解くことができるが、問題を表現するエネルギー空間には極めて多くの極小点が生ずるため、最適解または良い近似解を得ることは困難と考えられている。我々は、局所安定点へ捕捉される割合を減じ、最適解への収束率を高めるための技法として、勾配急峻化法、および過剰バイアス法を提案した。これらの技法を採用すると、計算の開始時にはエネルギー空間が平滑化されて、局所的な凹凸が消去される。こうして平滑化された空間での最小点は比較的速やかに求めることができるが、最小点の位置は本来解くべきエネルギー空間のものと正確には一致しない。そこで、ゆっくりと連続的にエネルギー空間を本来解くべき複雑な形状のものに戻していくと、エネルギー空間を固定したまま計算を行なう場合に比べてエネルギー最小状態へ引き込まれる確率が向上する。これらの手法はいわゆる制約緩和法とも関連があるが、ニューラルネットのモデルの枠の中で極めて単純なパラメータ制御のみで実現していることに価値がある。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
-
秋山 泰
電子技術総合研究所情報アーキテクチャ部計算機構研究室
-
古谷 立美
電子技術総合研究所情報アーキテクチャ部計算機構研究室
-
秋山 泰
工業技術院電子技術総合研究所
-
古谷 立美
工業技術院電子技術総合研究所
関連論文
- フィードバック付き多層ニューラルネットワーク
- しきい値動的制御法による巡回セールスマン問題の解法
- フィードバック付き多層ニューラルネットワーク
- 複素バックプロパゲーション学習アルゴリズムの学習特性
- 複素バックプロパゲーション・ネットワークにおける重みパラメータと決定表面の構造
- 非負値生産関数を持つ資源配分モデルの解析
- 複素バックプロパゲーション学習
- 入出力関数の傾きとバイアス値の動的な調整による局所安定点回避効果
- 複素バックプロパゲーション学習
- シミュレーテッドアニーリング法を用いたRNA二次構造予測
- メモリネットワーク : 大規模ニューラルネットワークのハードウェア化法
- μBRAIN : コネクショニストAIシステム : 状態ユニットを持ったニューラルネットワークによる時系列情報の処理
- NFS : ニューラルネットワークを用いたファジィ推論システム
- ニューラルネットワークを実現するメモリネットワーク
- μBRAIN : 知能体実現のための構造化ニューラルネットワーク
- NFS : ニューラルネットワークを用いたファジィ推論システム
- バックプロパゲーションアルゴリズムの学習能力
- 応用指向メモリ (メモリ)