意味空間での操作に基づく自立語の意味の獲得
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概要
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言語処理に必要な規則、拘束条件及び語の意味の集合を「文法」と呼ぶことにすると、人間は文法を様々な体験を通して獲得している。一方、多くの言語処理では、人間が予め計算機上に構成した文法を使用して処理を行なっている。しかし、実際の文法は開集合であるので、言語処理には、処理と並行して文法を自動獲得することが必要である。ここでは、特に意味獲得について検討する。自然言語における、意味の獲得には次の3つの情報が必要と考える。(1)言語世界内の語と語の相互関係(2語間のみでなく1文や段落の中での相互関係)(2)実世界内の事物と事物の間の相互関係(3)語とそれが表わす事物との相互関係(3)が必要となるのは、(1)と(2)とは一般に異なるものであるからである。ここでは、意味獲得を次のように考えている。まず、空間上の一点がある意味に相当し、かつ、意味が類似するほど距離が近いような空間(「意味空間」)を設ける。意味空間上での語の配置を、主に文章を使用して獲得する((1)からの情報による獲得)と同時に、(2)から得られる拘束条件を加え、(1)(2)(3)の獲得を統合的に行なう。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
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