ベクトル並列スーパーコンピュータVPP500のベクトル処理
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概要
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VPP500では、最大222台の要素計算機(PE)で並列実行することにより355ギガフロップスの演算性能を実現する。VPP500の主な特徴は、1)PEに高い数値演算能力を持つベクトル処理を導入したこと、2)PEの主記億を1ギガバイトとし、強力なデータ供給能力と大容量分散主記憶を実現していること、3)PE間結合に高速クロスバーネットワークを採用したことである。1)~3)により、大規模演算処理が少ない台数のPEを高速ネットワークで接続することで実現できるため、並列オーバーへツドが削減され高い並列実効性能が得られる。また、l)、2)によりVPシリーズのFORTRANプログラムをVPP-F0RTRANで再コンパイルするだけで1PE上で実行可能なことも大きな特徴である。本稿では、要素計算機にベクトル処理を選択した経緯と、そのハードウェア構成、命令の実行形態を述べ、最後にLlNPACKベンチマークの性能について紹介する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1994-09-20