自己組織化アルゴリズムのTSPへの応用
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概要
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競争学習をする素子を多数個用いたネットワークに適切な位相を与えると、自己組織化を行うニューラルネットとして利用できる.Kohonenはこれを特徴マップ(feature map)とよび、いくつかの興味ある応用を与えている.また、競争学習の一般化は、[5]に与えられている.自己組織化は、従来、パターンマッチングのための標準パターン集合の作成に用いられていたが、本稿では、この自己組織化の過程を利用して組み合わせ最適化問題を解いてみる.これは、Hopfield netとは異なり、コストの最適化をネットワーク自体が行うものである.本稿では、特に巡回セールスマン問題(以下TSPと略記する)を取り上げる.この問題については、Durbinらがelastic net methodによる解法を示しており、これに触発されて、Ritterらは自己組織化アルゴリズムを用いた解法を実現している.本稿では、上記2つのアルゴリズムをふまえて、ニューロン間の相互結合(elasticity:弾性)を利用し、よりシンプルで性能のよいアルゴリズムを示している.その特徴として以下の2点を挙げることができる.1.自己組織過程における位相の定義と近傍ニューロンの更新方法の工夫2.経路最小化に関するエネルギー関数の導入なお、本稿で示すアルゴリズムにより、真の解と思われる解、または良好な準最適最短経路が得られていを以下、アルゴリズムの検討、インプリメントおよび、シミュレーテッドアニーリング法(以下SAと略記する)との性能比較を示す.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-03-14
著者
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