CMU Common Lisp上の疑似マルチタスク機構の設計と実装
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概要
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本稿は、ウィンドウシステムにおけるマウスイベントを処理するための疑似マルチタスク機構について述べる。分散ウィンドウツールキットYYonXでは、マウスイベントの処理機構としてリアルタイムにマウスイベントの処理をする仕組みを提供している。その仕組みは、キーボードが押下された/マウスが移動した/ある領域に入った/出た/マウスボタンが押下されたなどのイベントを非同期的に受け付け、利用者によって登録された関数を呼び出す。イベントの受け付けは、他の関数が実行中でも行なわれる。この仕組みをYYonXでは、いくつかCommon Lisp処理系が持つマルチタスク機構で実装している。CMU Common Lispは、CMUで開発されたCommon Lisp処理系である。しかし、この処理系は、イベント処理のためのマルチタスク機構がない。そこで、この処理系の持つ割り込み処理機構を利用してイベント処理特有の疑似マルチタスク機構を設計し、イベント処理のための機構を実装した。実装の結果、CMU Common Lisp上でYYonXの稼働が確認できた。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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