超並列計算機用データ自動分割方式の提案
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概要
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単一プロセッサでは得られないような高性能計算機の要望に応えるため、数百台から数万台のプロセッサを接続した超並列計算機が期待されている。しかし、超並列計算機の問題点は、分散メモリ型であるために、プログラム作成が困難なことである。分散メモリへのデータの割り付けやプロセッサ(PE)間通信を意識してプログラムを記述することは、非常に手間のかかる作業であり、このことが超並列計算機実用化の大きな障害となっている。この問題の解決のために最も望ましいのは、一般ユーザが慣れ親しんだFortranやC言語などで記述したプログラムを、自動的に超並列計算機用プログラムに変換することである。しかしそのためには、配列データの分割が大きな課題となっている。データ転送コストなどを考慮して自動分割を行う研究がいくつか発表されてはいるが、プログラムサイズが大きかったり複数の手続きから構成されたりするような現実的プログラムについては、実用に耐える自動分割方式はまだ知られていない。データ自動分割を困難とさせる問題点として、以下のようなものが挙げられる。(1)分割パターンの候補が多く、それらの組合せが膨大になってしまう。(2)手続き間でデータ分割の整合性がとれていないと、プログラムが正しく動作しない。(3)最適分割を求めるには、プログラム全体のデータ参照パターンの解析が必要。本報告では、これらの問題点を克服し現実的プログラムに対する自動分割方式を確立するための基本方針を提案する。
- 社団法人情報処理学会の論文
- 1993-03-01
著者
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太田 寛
アドバンスト並列化コンパイラ研究体:(株)日立製作所情報コンピュータグループ
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太田 寛
日立製作所システム開発研究所
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太田 寛
(株)日本製作所システム開発研究所
-
海永 正博
(株)日本製作所システム開発研究所
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