有限要素生成における粗分割処理への述語型言語の適用
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概要
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有限要素法で使われる要素を形状モデルから生成する過程は、通常粗分割と密分割の二段階からなる。まず、粗分割では、有限要素に比べて、比較的大きな部分領域(以降、粗部分領域と呼ぶ)に分割する。粗部分領域は、後に続く密分割で、有限要素に分割される。密分割では、補間を使って粗分割領域の境界の情報から内部の点を計算し、有限要素を生成する。そのためには、粗部分領域は、二次元の場合には三角形とか四角形、三次元の場合には四面体、五面体、六面体などの補間が簡単にできる形状でなければならない。密分割は、補間の計算が主体なので、ほぼ自動的に処理できる。この理由から、形状モデルから有限要素を発生する過程で人手を多く消費するのは粗分割の部分であり、粗分割を容易にする要請が出てくる。粗分割を容易にする一つの方法は、粗部分領域を自動的に見出すことである。これを粗部分領域の自動探索という。形状モデルは、頂点、稜線、面の情報を持っているので、これを使うことによって、六面体等の粗部分領域として許された形状を形状モデルからコンピュータだけで自動的に見出せる可能性がある。筆者らは、形状モデルから粗部分領域を自動的に探索する処理をPrologで使われている述語論理を使って簡潔に実現し、カスタマイズしやすく信頼性の高い自動探索機能を実現する見通しを得たので、これについて報告する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04
著者
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和田 孝
日立計測エンジニアリング(株)
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中元 勝也
日立計測エンジニアリング(株)
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渡辺 邦子
(株)日立製作所ソフトウエア工場
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松本 茂年
日立計測エンジニアリング(株)
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斉藤 晃義
(株)日立製作所ソフトウエア工場