限定された時間内での直感にあった解の序列化に対する考察
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概要
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現在の計算磯による推論システムは、Logical Omniscienceの問題を抱えている。これは、原理的には解ける問題も、実際には推論に利用できる時間が限られているために解けないという問題である。一方、人間は日常生活において、限られた時間の中でもそれなりに、問題を解決している。では、なぜ人間は限られた時間内の問題解決を行うことができるのであろうか?それは、知り得るすぺての知識を用いずに、問題解決に必要である思われる限定した知識のみを用いて推論(以下、知識限定推論と呼ぶ)をするからである。推論のために切り出す知識の量は推輪に利用できる時間にあわせて調節される。知識限定推論は、答が正しくない可能性があるという問題がある。しかし、この論文では答が誤答があることを認め、誤答率を低く抑えることが重要であるという立場をとる。この立場は、一見、逃避的なものであると見えるが、これは常識推論を念頭に置くと妥当な立場であるとみなせる。ある知識を用いて誤答率0の推論結果も、追加された知識により間違いとなりえるからである。Logical Omniscienceの他に、現在の推論システムには、解の適切な序列化が直感にあうようにできていないという問題がある。できることは、最初に求まった解が適切な解であるとすることである(CF値を利用した推論でも同様である)。ここでは、知識限定論を用いて、限定された時間内で、直感にあった解の序列化を行う方式を提案する。この推論方式をRIO(Realtime reasoning with Intuitional Ordering)呼ぶことにする。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1990-09-04
著者
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